いつもうめたに(株式会社梅谷仏壇店)のブログをご覧いただき、誠にありがとうございます。

夏が近づくと、お客様からよくこのようなご相談をいただきます。

「ご近所さんはお盆に『迎え火』の準備をしているけれど、うちは浄土真宗だから何もしなくていいって本当?」

「ナスやキュウリの馬(精霊馬)を飾らなくて、ご先祖様は迷子にならないかしら……」

他のお家がせっせとお盆の準備をしているのを見ると、

「本当に何もしなくていいの?」と不安になりますよね。

結論から申し上げますと、

浄土真宗では、いわゆる「お盆のお迎え(迎え火や精霊馬など)」は原則として行いません。

しかし、これは決してご先祖様を軽んじているからではないのです。

そこには、浄土真宗ならではの「深く、温かい理由」がございます。

今回は、老舗仏具店の視点から、その理由と正しいお盆の過ごし方について分かりやすく解説いたします。

1. なぜ浄土真宗はお盆の「お迎え」をしなくていいの?

他の多くの宗派では、亡くなった方の魂はあの世にいて、

お盆の時期(7月や8月)にだけ年に1回、この世の実家に帰ってくると考えられています。

そのため、迷わないための目印として「迎え火」を焚いたり、乗り物として「精霊馬(しょうりょううま)」を用意したりします。

しかし、浄土真宗(親鸞聖人が開祖)の教えは大きく異なります。

理由 ①  ▶  亡くなられた方は「すでに仏様」になっている

浄土真宗では、亡くなられた方は阿弥陀仏の計らいによって、すぐに極楽浄土へ往生し、

完璧な「仏様」になられていると考えます(これを「往生即成仏」といいます)。

理由 ②  ▶  お盆だけでなく「いつでも、あなたのすぐそばに」いる

仏様になられたご先祖様は、浄土でのんびりしているわけではありません。

「残された大切な家族をいつも護り、導きたい」というおはたらき(還相回向)となって、

365日24時間、すでにあなたのすぐそばに還ってきてくださっていると考えます。

つまり、浄土真宗においてご先祖様は「お盆の4日間だけ帰ってくる存在」ではありません。

いつも私たちが手を合わせる真横で見守ってくださっているため、今さらお盆だからといって「お迎え」をする必要がそもそもないのです。

2. 浄土真宗のお盆で「やらないこと」一覧

この教えが徹底されているため、一般的にイメージされる以下のお盆の風習は、浄土真宗では行いません。

迎え火・送り火(目印がなくても、仏様は迷いません)

精霊馬・精霊牛(ナスやキュウリの乗り物がなくても、仏様は自在に行き来できます)

精霊棚・盆棚(お仏壇とは別に、お迎え用の特設ステージを作る必要はありません)

霊供膳(りょうぐぜん)(お盆に仏様にお出しする一汁三菜のお膳も不要です)

「何もしなくていいなんて、薄情に思われないかしら」と心配される方もいらっしゃいますが、

「火を焚かないと実家に戻れないほど、仏様は弱くない」という、仏様への絶大な信頼の裏返しなのです。

3. 浄土真宗のお盆(歓喜会)の正しい過ごし方・飾り方

では、浄土真宗ではお盆に何もしないのかというと、そうではありません。

浄土真宗のお盆は、ご先祖様を現世に引っ張ってくる日ではなく、

「すでに仏となって私を護ってくれているご先祖様や阿弥陀仏に、改めて感謝を伝える日」です。

そのため、お盆のことを「歓喜会(かんぎえ)」とも呼びます。

お盆の時期は、ぜひ以下のように丁寧にお仏壇を整えてみてください。

① お仏壇に「打敷(うちしき)」を掛ける

特設の棚は作りませんが、いつものお仏壇に「打敷」という綺麗な刺繍の布を掛け、

お仏壇の中をいつもより少し華やかにドレスアップします。

② お供え物(仏飯・果物・お菓子)

お水やお茶はお供えしませんが、お米への感謝を表す「仏飯(ぶっぱん)」、

そして季節の果物や夏用のお菓子などを「供華(くげ)」と呼ばれる器にお供えします。

③ 盆提灯を飾る

浄土真宗でもお盆に提灯を飾りますが、これは「迷子防止の目印」ではなく、

「仏様の世界の素晴らしい光を表現し仏壇の周りを華やかにお飾りするため」のものです。

真宗では、柄の入った提灯だけでなく、すっきりとした切子灯籠(きりことうろう)なども飾られます。

④ お寺の法要(初盆・お盆法要)に参加する

ご先祖様への感謝と共に、自分自身が改めてお寺で仏様の教えを聴く(聴聞する)大切な機会とします。

まとめ:お盆は「いつでも一緒」を再確認する日

他宗派のような派手な「お迎え」の儀式がないため、一見すると寂しく思えるかもしれません。

しかしその根底には、「あなたのご先祖様は、もう立派な仏様になって、毎日あなたのすぐそばにいてくれていますよ」という、

非常にスケールが大きく温かい教えがあります。

今年のお盆は、ぜひご家族皆さまでお仏壇の前に集まり、「いつも見守ってくれてありがとう」の気持ちを込めて

「南無阿弥陀仏」とお念仏をお唱えください。

お盆の飾り付けや打敷、お盆用のローソク・お線香など、お困りのことがございましたら、

どうぞお気軽に創業150年のうめたに(株式会社梅谷仏具店)までご相談ください。

皆さまのご来店を心よりお待ちしております。