創業150年、仏壇仏具の専門店うめたにです。
先日、お客様よりこんな質問をお受けしました。
「神棚を仏壇として使ってもいいですか」
よくよくお話を伺うと、「お仏壇を設置するスペースがない」とのことでした。
そこで今日は、神様と仏様の違いについてお話ししたいと思います。
「神様」と「仏様」の違いは、日本の宗教である神道と仏教の違いに根ざしています。
それぞれ信仰の対象や考え方、役割が異なります。
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神様(かみさま)とは 〜神道〜
◆ 宗 教 :神道(しんとう)
◆ 起 源 :日本古来の宗教。自然崇拝から発展
◆ 信仰の対象:山・海・川・太陽など自然や祖先に宿る「八百万(やおよろず)の神
◆ 祈 り 方:拍手(かしわで)を打ってお願いする
◆ 目 的 :国家の繁栄・五穀豊穣・健康・厄除けなど、現世利益が中心
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仏様(ほとけさま)とは 〜仏教〜
◆ 宗 教 :仏教(ぶっきょう)
◆ 起 源 :紀元前5世紀ごろ、インドの釈迦(ブッダ)が開いた宗教
◆ 信仰の対象:仏陀(ブッダ)や菩薩(ぼさつ)、如来(にょらい)など悟りを得た存在
◆ 代 表 例:釈迦如来、阿弥陀如来、観音菩薩、大日如来など
◆ 祈 り 方:合掌(手を合わせて拝む)
◆ 目 的 :悟り・来世での救済・成仏・供養などが中心
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もっとカンタンに言うと…
神様は、
「自然の中にいる力」
たとえば「山の神」「海の神」「太陽の神」など。
今の幸せ(健康・安全・合格など)をお願いする対象。
仏様は、
「悟りを開いたすごい人」=お釈迦様など。
「亡くなったあとも救ってくれる存在」
先祖供養や来世(死後)のことをお願いする対象。
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日本では「神仏習合」がある
日本では長く「神道と仏教が融合」していた時期があり、
明治時代までは「神様と仏様が一緒に祀られる」ことも多かったそうです。
例えば、お寺の中に神社がある、神社に仏像があるなど。
今も一般の人の信仰は「神様も仏様もどちらも大切にする」スタイルが多いです。
先程のお客様の質問のお応えですが、
結論から言うと、神棚を仏壇として使うことはできません。
理由は「役割・宗教・祀り方がまったく違うから」です。
神棚と仏壇は、「宗教」「祀る相手」「祈り方」「作法」がすべて違うため、代用はできません。
やはりそれぞれの目的に合った場所と形でお祀りすることが大切です。
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どうしても仏壇を置けないときは?
スペースがない場合は、コンパクトなミニ仏壇や供養ステージなどがおすすめです。


神棚と仏壇は、同じ部屋に置いてもOKですが、向かい合わせにはしないなどのマナーがあります。
仏事やご供養に関するご質問やご相談は、うめたにの店舗スタッフが、丁寧にお応えします。
お気軽にお声掛けください。