朝晩の空気が少しずつひんやりと感じられる10月。
暑さも和らぎ、街を歩いていると秋の深まりを感じることが増えてきました。
店先に並ぶ栗や柿、さつまいも、りんごなどを目にすると、「今年も秋が来たな」と実感しますね。
そして秋になると、なぜか気になってしまうのが秋の味覚を使ったスイーツです。
栗のモンブランに、さつまいものスイートポテト、かぼちゃのプリン、季節限定の和菓子……。
当店でもスタッフ同士で、「今年はどこのモンブランを食べようか」「この時期はやっぱり芋のお菓子だよね」と、ついつい食べ物の話で盛り上がることがあります。
そんな何気ない会話の中で、ふと「そういえば、あの人も甘いものが好きだったな」と、亡くなったご家族やご先祖さまを思い出すこともあるのではないでしょうか。
秋は、季節の恵みを通して大切な人を思い出すのにぴったりの季節です。
今回は、10月の仏壇におすすめの秋の仏花やお供え物について、知っておきたい基本のマナーを交えながらご紹介します。
10月の仏壇を彩る「秋の仏花」の選び方とマナー
仏壇にお供えするお花を「仏花(ぶっか)」といいます。
一年を通して定番の菊やカーネーションに加えて、10月は秋を感じられる季節の花を取り入れるのがおすすめです。
■10月の仏花におすすめの花・植物
10月の仏花として親しまれているものには、次のような種類があります。
◎ 菊(キク)・小菊: 日持ちが良く、古くから仏花として広く用いられてきた定番のお花です。
◎ リンドウ(竜胆): 紫や青の落ち着いた色合いが美しく、一輪加えるだけで一気に秋らしい雰囲気になります。
◎ ケイトウ(鶏頭): 鮮やかな赤やオレンジが、お仏壇を温かく華やかに彩ります。
◎ ススキ: 季節感を出すアクセントとして、少量添えると風情が出ます。
◎ ユリ・カーネーション: 華やかさと持ちの良さで、季節を問わず合わせやすいお花です。
これだけ押さえれば安心!全宗派共通の「仏花のマナー」
「宗派によって飾り方に特別な決まりがあるのでは?」と不安に思われる方もいらっしゃいますが、
基本的にはどの宗派でも共通する以下のポイントを押さえておけば心配ありません
(※一部、日蓮正宗の「樒(シキミ)」など独自の決まりを持つ宗派を除きます)。
◎ 花は「手を合わせる人(自分たち)」に向ける
仏様ではなく、お参りする側に花の正面を向けて飾ります。これは「仏様の慈悲や命の尊さが、私たちに向けられている」という意味合いを持っています。
◎ 本数は「3本・5本・7本」などの奇数で整える
お花をお供えする際は、奇数本で束ねると左右のバランスを取りやすく、見た目も綺麗にまとまります。
◎ 棘・毒・香りが強すぎる花は避ける
バラなどの「棘のある花」、ヒガンバナなどの「毒のある花」、匂いが強すぎる花は、怪我や仏壇・仏具の痛みを防ぐため避けるのが一般的です。
◎ 長持ちする花を選び、お手入れをしやすく
できるだけ長くきれいな状態を保てるお花を選ぶと、日常のお手入れもしやすくなります。
お花屋さんで迷われたときは、「仏壇にお供えするお花です」と伝えると、10月の季節感とマナーに合った組み合わせを提案してもらえますよ。
また、宗派やご家庭の考え方はさまざまですが、最も大切なのは「故人を思う気持ち」です。
形式にとらわれすぎず、故人がお好きだった花や、ご家族が「きれいだな」と感じるお花を選ぶことも、温かいお供えの心の一つです。
実りの秋!10月の仏壇に添えたい「旬のお供え物」
秋といえば「実りの秋」。栗、柿、さつまいも、りんご、梨など、旬の味覚がたくさん出回る時期です。
こうした季節の食べ物を仏壇にお供えするのも、秋ならではの温かいお参りの形です。
栗(くり)
秋の味覚を代表する栗。そのままお供えするほか、栗ご飯や栗を使った和菓子(栗きんとんやモンブランなど)をお供えするのも素敵です。硬いイガや殻のついた栗をお供えする場合は、仏壇を傷つけないよう小鉢や盆などの器に入れ、安定した状態でお供えしましょう。
柿(かき)
鮮やかな橙色が美しい柿は、仏壇に秋らしさを添えてくれる代表的な果物です。お供えした後は傷んでしまう前に下げ、ご家族みんなでいただきましょう。「お供えしたおさがりをいただく」ことも、仏さまやご先祖さまへの感謝を表す大切な行いとされています。
さつまいも
ほくほくとした甘みが美味しいさつまいもも、秋のお供え物にぴったりです。焼きいもやふかしいもなど、昔から親しまれてきた味覚を前にすると、「おばあちゃんが好きだったな」とご家族との思い出が蘇ることもあります。故人の好物をお供えすることは、故人を偲ぶとても良いきっかけになります。
りんご・梨・ぶどうなどの秋の果物
丸みのある果物は縁起が良く、お供え物としてとても重宝されます。仏壇の大きさに合わせ、半紙や懐紙を敷いたお盆・器の上にバランスよく整えてお供えしてください。
まとめ:季節の恵みとともに、温かいお参りを
秋の旬の食材や季節のお花は、日々の暮らしだけでなく、仏壇前でのひとときも豊かにしてくれます。
「もうすぐ秋だね」「これが好きだったよね」と語りかけながらお供えをする時間は、ご先祖さまや故人との心の繋がりを感じられる大切なひとときです。ぜひ、ご無理のない範囲で、小さな秋をお仏壇に届けてみてくださいね。
仏壇のお手入れ方法や、季節のお供え物・仏花のマナーについて気になることがございましたら、いつでも店頭のスタッフまでお気軽にご相談ください。
